ベストCDトランペット名盤

お勧め&名盤CD : ジャズ・トランペット

トランペットだけを取上げたnishioさんの「ジャズトランペッターの部屋」は幅広いトランペッター界全体を見渡せるので参考にして下さい。

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”An Afternoon In Harlem”
Justin Time JUST 127-2
メンバ:
Hugh Ragin(tp), Jaribu Shahid(b), Bruce Cox(dr), Andrew Cyrille(dr,Perc), Craig Taborn(p), Amiri Baraka(voice), David Murray(b-cl)
録音:
Dec. 6-7 1998
曲目:
An Afternoon In Harlem, Not A moment Too Soon, Braxton's Dues, The Moors Of Spain, Wisdom And Overstanding, The Light At The End Of The Underground Railroad, When Sun Ra Gets Blue
Hugh Ragin(ヒュー・レイジン(或いはレギンと発音か?))は、コロラド州立大学においてトランペット演奏で修士号を取得した勉強家で、ロスコー・ミッチェル、アンソニー・ブラックストン、デビッド・マレーなどと云った人との録音で頭角を現し、Justin Timeなどから数枚のリーダ・アルバムを出しています。

フリー系の人達との録音が多いために近付き難いと思われているのか、メディアへの露出度も低いし、中古CDも安い値付けとなっています。 聴き易い音だし、フリーと謂っても過激さは≪中の弱≫程度なので、もっと聴いて下さい。 どのCDを聴いても高い水準なので、買ってガッカリすることはありません。

このCDですが、何といっても圧巻は最後の曲<When Sun Ra Gets Blue>でしょう。 David Murrayに加えAmiri Baraka(旧名ReRoi Jones)がSun Raに捧げた詩を朗読しており、これが良いのです。(英語の詩は全く理解できませんが) Amiri BakaraはIndia Navigationから<New Music - New Poetry>というレコードを出していますが、これでもMurrayが一緒でカッコ良い詩を詠んでいます。

サンラとの関係ですが、1987年のレイバー・デイにニューヨークのVillage Gateで一緒に演奏したことで尊敬の念が確実となったと述べています。 Black Saintから<Back To Saturn>というSun Raに捧げたCDも出していますので、そちらも聴いて下さい。

”MARIONETTES ON A HIGH WIRE”
Omni Tone 12101
メンバ:
Baikida Carroll(tp), Reica Lindsay(ts), Adegoke Steve Colson(p), Michael Formanek(b), Pheeroan akLaff(dr)
録音:
Sept. 14-15 2000
曲目:
Ebullient Secrets, Griot's Last Dance, Marionettes On A High Wire, Miss Julie, Our Say, A Thrill A Minute, Velma, Flamboye, Down Under, Cab
Baikida Carroll(バイキダ・キャロル)はBAG(Black Artist Group)のメンバーで、Oliver Lake、Julius Hemphill、David Murrayなどのサイドマンとして多数の録音があります。 結果、フリー系のトランペッターと見られがちですが、この人自身はフリーの匂いは≪微弱≫です。

写真で見る限りゴツイ顔ですが、このCDではミュートを使ったりして大変に繊細で鋭い音を出しています。 フリーというよりも60年代後半のストレート・アヘッドなジャズを演奏しています。 最後の曲<Cab>は2分弱の短い曲ですが、1940年代のジャズを想起させる楽しい乗りの演奏でこのCDを〆ています。

サイドマンですが、Reica Lindsayのずるずるテナーとの組合せが面白い味を出しています。 また、ピアノのAdegoke Steve Colsonが良い演奏をしています。 Andrew Cyrille、David Murrayのリーダ・アルバムでのサイドマン、自らは<NO RESERVATION>Black Saintを出している程度ですが、より評価されるべきピアニストに思えます。

ドラムのPheeroan akLaffに触れませんでしたが、説明するまでもなく上手い。

”Fats Live Birthday”
Melopea CDMSE 5112
メンバ:
Roberto Fats Fernandez(tp,fl-h), Jorge Armani(gu), Andres Beeuwsaert(p), Martin Sciurano(b), Javier Puyol(dr)
録音:
June 7 1997
曲目:
Un Recuerdo, Avalon, Whats Are Doing The Lest Of Your Life?, Street Of Dreams, Manteca, Pe las tabelas, Milestones, My Funny Valentine, Blues In F
弱フリー系が2人続いたので、ちょっと耳休め。

このCD、ジャズ・レコード購入日記 7月22日購入分(こちらも読んで下さい)で取り上げましたが、メンバーや曲目の紹介がされていなかったので再度取り上げました。 Roberto Fats Fernandez(ロベルト・ファッツ・フェルナンデス)の演奏は、それほど素晴らしいものとなっています。

いろいろ調べたのですが、情報不足とスペイン語の壁が高くて何も分かりませんでした。

ジャケットにある不思議な形のトランペットは、Monette社のAjnaというタイプで、アート・ファーマーやウイントン・マルサリスもこの会社のトランペットを使っているそうです。

”The Optimist”
Westside WR2009
メンバ:
Vinnie Cutro(tp,fl-h), Bob mintzer(ts), Jim McNeely(p), Mike Richmond(b), Victor Jones(dr)
録音:
Aug. 25 1993
曲目:
Blues For The Optimist, Cane Garden Bay, 35th And Third, Bianca, Snapper, The Journeyman, Naima, Great Expectations, Giant Steps
 
 この人は是非知って貰いたい。 Vinnie Cutro(ビニー・カトロ)は、1953年ニュージャージー生まれで、New Jersey Universityで音楽教育の学士を取得しNew York地域で教育活動を始める。 後にNew York Universityにおいて音楽演奏における修士の学位を得る。 自分のバンドを持つ前は、ホレス・シルバー、ライオネル・ハンプトン、バディー・リッチ、ジミー・マクグリフなどのバンドに加わっていた。

このCDが1stアルバムで、以降<ABBERATION>、<Paradise>をリリースし、現在はVINNIE CUTRO & NEW YORK CITY SOUNDSCAPEというグループを率い、ニューヨークを中心に活動しており、4枚目のリーダ・アルバム<SAKURA>をリリースした。

どんなタイプのトランペッターかと云うと、チャールス・トリバーの糞真面目度を少し薄め、≪Jacket Of This Month≫で紹介したアラン・ハウザーのような乗りの演奏をしています。 音楽的方向はハードバップそのもので、ジャズ・ファンとしては非常に落ち着く。 7曲の自作に加え、コルトレーンの<Maina>や<Giant Steps>を取上げている点が注目される。 メンバーでは、Bob MintzerとVictor Jonesが良い。

HPを見ると、スウィング・ジャーナルに<ストレートアヘッド・ジャズの実力派が本邦デビュー>というCDリビュー(2作目の<ABBERATION>)が載ったことが記事のコピーで掲載されており、嬉しかったのですね。 微笑ましい。

こんなに素晴らしいCDがどうして新名盤として騒がれないのが不思議な位に良い出来のアルバムです。 今後の活動が大いに注目されます。
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