LPジャケット美

今月のレコード・ジャケット(2009年)

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Dec. 2009
デクスター・ゴードン
"PARISIAN CONCERT"
Futura GER 41

★★★
メンバ :
Dexter Gordon(ts), Sonny Grey(tp), George Arvanitas(p), Jacki Samson(b), Charls Saudrais(dr)
録音 :
Feb. 16 1973
曲目 :
Caloon Blues, Fried Bananas, No Matter How, Dexter Leaps Out
12月は、Dexter Gordon(デクスター・ゴードン)です。 最初から何ですが、デクスター・ゴードンの良さを十分に理解出来ていませんので、その前提で読んで下さい。 このレコードはジャケットは一流(写りが悪くて申し訳ない)ですが、内容は二流と言って良いと思います。 デクスターは、1962年から1976年の間欧州(パリ、コペンハーゲン)に活動の中心を移しましたが、このLPは欧州のリズム隊をバックにソニー・グレイと組んだライブ・アルバムです。 聴き所は、やはりジョルジュ・アルバニタのピアノの張り切り具合が相当なものである点かも知れません。 相棒のソニー・グレイ(マル・ウォルドロン、フランシー・ボラン、スライド・ハンプトンなどのバンドでレコーディングを残す)はやはり二流の域を出ていません。 私が好きなデクスターのアルバムは、<Dexter Rides Again>Savoy、<Billie's Bounce>Steeple Chase、<The Tower Of Power>Prestige、<Silver Blue>&<True Blue>Xanaduなどで、何故かBlueNote盤が出て来ません。

【余談1】デクスターは198cmの大男で、'Long Tall Dexter'と呼ばれていた。(wikiより)
【余談2】ヨーロッパ盤にはジャケットのサイズが小さいものがありますが、Futuraは特に小さくて、このLPのジャケットは30.8cm(普通は31.4cmほど)でLPがパンパンでやっと入る。(破けそうで怖い)
Nov. 2009
Mark Elf
"little girl blue"
Philology 214 W 21

★★★★★
メンバ :
Chet Baker(tp), Enrico Pieranunzi(p), Enzo Pietropaoli(b), Fabrizio Sferra(dr)
録音 :
Mar. 1-2 1988
曲目 :
Come Rain Or Come Shine, Blue In Green, House Of Jade, Old Devil Moon, Little Girl Blue, Just One Of Those Things
 
11月は、Chet Backer(チェット・ベーカー)です。 後期のチェット・ベーカーには素晴らしいアルバムが沢山ありますが、このレコードはその中でも代表作と断言できる一枚です。 1988年5月13日にアムステルダムのホテルの窓から落ち亡くなってしまったので、このレコードが最後のスタジオ録音となってしまいました。
大きな目が印象的なジャケット(多分男だろう)も然る事ながら、タイトルに<CHET BAKER meets SPACE JAZZ TRIO>とあるように、Enrico Pieranunziとの競演に大きな収穫が含まれており、チェットとの相性が抜群でしっかりしたトランペット演奏を引き出しています。 だが、本命はB面二曲目<Little Girl Blue>で、ピアノの静かなイントロで始まり、チェットに唄ってよ...と誘いかけ、それに乗ったチェットが囁くように唄い始める。 昔は腰の辺りがむずむずして聴けなかったが、今では最高に心地よい。 この一曲は美し過ぎる。
Oct. 2009
Mark Elf
"ELF Mark Elf Trio Vol.1"
Half Note 00001

★★★★
メンバ :
Mark Elf(gu), Paul Brown(b),Leroy Williams(dr) or Al Harewood(dr)
録音 :
June 1986 / July 1987
曲目 :
Blues For You, Joy Spring, Limehouse Blues, My Dream, Ain't Misbehaving, Valse Hot, People
 
今月は、Mark Elf(マーク・エルフ)です。 先月のCharlie Byrdに続いてギタリストとなりました。 Markは既に中堅からベテランに差し掛かるギタリスト(1949年NYC生まれ)となっていますが、このレコードはリーダとしての1stアルバムです。 1975年にLou Donaldson Sextetに加わってBlueNoteレーベルに録音を残していますが、発売には至っていないようです。
厳ついサングラス姿とは懸離れた暖かみのある音色のギターで、スロー・テンポの曲はJohnny Smithを思わせます。 一方アップ・テンポの曲ではスインギーで明るい演奏となっています。
このレコードですが、どうも別のレーベル(自費?)で出す寸前にHalf Noteレーベルに乗り替えたようで、レコード・ラベルこそHalf Note(番号なし)ですが、ジャケットは裏表紙にシールでHalf Noteのコンタクト先が張ってあり、更に背表紙は細長いシールが張ってあり、いかにも急遽切替えたことが伺えます。 このレコードはVOL.1となっていますが、VOL.2は無いようです。
Sep. 2009
charlie byrd
"Charlie's Choice"
Offbeat OJ-3007


★★★★★
メンバ :
Charlie Byrd(gu), Keter Betts(b), Buddy Deppenschmidt(dr)
録音 :
1960
曲目 :
Taking A Chance On Love, Moonlight In Vermont, Speak Low, Nuages, Everything I've Got Belongs To You, Makin Whoopee, Django, Nice Work If You Can Get It, The House Of The Rising Sun, Ring Them Harmonics, Taboo, To Ginny
今月は大好きなギタリストの一人、Charlie Byrd(チャーリー・バード)です。 中でもこのレコードは、その内容、ジャケットともに最高傑作です。 ジャズ・ギターのベスト5を選べと言われれば文句なく選定される1枚です。
チャーリー・バードは、1954年にはイタリアに出向き、クラシックの巨匠セゴビアに師事したほど常にクラシックを意識し勉強もしていたそうですが、人によってはクラシック臭さが演奏に出て詰らない場合がありますが、バードにおいては全くその心配は不要です。 また、ボサノバ・ギタリストに見られる場合もありますが、それも間違いで≪ジャズど真ん中≫のギタリストです。

バードのリーダ・アルバムとしては、Savoyから2枚、Offbeatから6枚、そしてOffbeatがRiversideに吸収された後Riversideから6枚出しました。 ここまでがバードの世界で、この後Columbiaに移ってからは一気にパフォーマンスが落ちてしまったことが悔やまれます。(Offbeatの6枚は全てRiversideより再発されており、このレコードも<The Guiter Artistry of Charlie Byrd>として出されています)

このレコードですが、Keter Betts(b)、Buddy Deppenschmidt(dr)と組んだトリオでの演奏ですが、やはりチャーリー・バードの良さを引出すにはトリオ作品に限ります。 最後にこのジャケットですが、一見クラシックのレコードのようで、ピカピカのコーティング・ジャケットは額縁に入れて飾りたいほどの出来栄えです。 デザインをIvan X. Spear、写真をGeorge De Vincentという人が担当しています。 
Aug. 2009

"NO SAMBA"
Straight Ahead ARS001


★★★★
メンバ :
Allen Houser(tp), Vince Genova(p), Buck Hill(tp), Steve Novosel(e-b,b), Terry Plumeri(b), Mike Smith(dr)
録音 :
1973
曲目 :
Mexico, Charlottesville, No Samba, Cousin Rae's 3-Step, 10 Years After

 
今月はAllen Houser(アラン・ハウザー)の名盤です。 哀愁を含んだトランペットのソロで始まり、続いてBuck Hill(ts)、更にTerry Plumeri(b)がアルコでソロをとり、バックで頑張るMike Smith(dr)が小気味良いリズムを刻む。 全員が一丸となった演奏です。 Buck Hillもこの演奏を聴けば評価に値するミュージシャンだと認識できます。(他にあまり良いものがない)1973年の録音、フュージョンが台頭し始めた時期に咲いたあだ花のような存在です。 他にSteve Novosel(b)、Vince Genova(p)が参加、頑張ってます。

このレコードを初めて聞いたのは、渋谷のジャズ喫茶 音楽館だったと記憶しています。 どこで購入したのか全く記憶にありませんが、これは新品で購入。 滅多に無いこと(社会人まもない時期で大金を叩いた)で、それだけインパクトが強かったのです。 今聴き直しても、やはり名盤です。 ジャケットも素晴らしく、Pete Holbrookという人が描いています。
June 2009

"Songs by Anna Maria Alberghetti"
Mercury MG 20056

★★

ジャケットを見る。 裏返してライナーノートを読む。曲名、編成、コンディション、最後に所持金と相談のうえ購入を決める。 ジャケットの良し悪しは音楽の内容に関係ありませんが、ジャケ買いと言ってコレクターの性で内容無視で手を出してしまう場合があります。 このレコードはそんな一枚です。
Anna Maria Alberghettiについては、ジャズ批評No.124(2005.3)〜いかした美女たち〜(後藤誠一)で詳しく取り上げられています。  「数々の美形ヴォーカルジャケットの頂点」と言い切っていますが、これには全面的に賛成で、私もこのジャケットを携帯の待受け画面に使っています。 内容はジャズというより中途半端なクラッシックに近く、ジャズヴォーカルファンは手を出し難い内容となっていますのでご注意を。
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