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”ADOBE” Free Lance FRL-NS-0305 |
メンバ: Tony Malaby(ts,ss), Drew Gress(b), Paul Motian(dr) 録音: March 25, 2003 曲目: Humpty Dumpty, Maine, Adobe Blues, Dorotea La Cautiva, No Brainer, MIA, What Is This Thing Called Love, Cosas, Gone |
これを書くためにTony Malaby(トニー・マラビー)のリーダCDをチェックしていて、重複しているのを発見してしまいました。 もう1枚は米国Sunnysideがライセンスを受けて発売したもの(左写真)でジャケットが全く違います。 Sunnyside盤の方が遥かに恰好良いのですが。 Malabyは、1964年生まれで1990年にニューヨークに出て最初に雇われたのがJoey DeFrancescoで1年間サイドマンとして行動を共にしたとあり、不思議な顔合わせです。 この2人の録音が残されていたらどんな演奏か是非聴きたいものです。 Tony Malabyの音色をどう表現すれば良いか、メキシコ系アメリカ人ですが、そのような匂いは全くせず何か東欧が持つ暗い影が見え隠れします。 また、この人をフリー・ジャズのジャンルに括る人がいますが、その様には思えません。 スタイルの確立は尊敬するMarty Ehrlich(as)の影響大か?(EhrlichはAlto Saxページで紹介します) サイドマンとしての録音も多くありますが、どれも高い水準で新世代の一押しテナーマンです。 |
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”This Will Be” Storyville 101 4245 |
メンバ: Chris Potter(ts,ss,fl,b-cl), Kasper Tranberg(col), Peter Fuglsang(fl,b-cl), kevin hays(p), Jacob Fischer(gu), Scott Colley(b), Billy Drummond(dr) 録音: Mar. 9,10,12 2000 曲目: This Will Be, Okinawa, part1-Chorale, part2-Medium, part3-Rubato, part4-Tribute to Hodges & Ellington, part5-ballad, part6-Fork Tune, In A Sentimental Mood |
既にメジャーの仲間入りを果たしたChris Potter(クリス・ポッター)ですが、少し変わったところでデンマークのJazzpar賞の受賞録音を紹介しましょう。 この賞、受賞者の選択基準がどうも判りません。 1990年から、Muhal
Richard Abrams、David Murray、Lee Konitz、Tommy Flanagan、Roy Haynes、Tony Coe、Geri
Allen、Django Bates、Jim Hall、Martial Solal、そして2000年のCriss Potterとなるのですが、やっぱり変ですよね! スポンサーが降りてしまったとかで、すでに終わってしまいましたが。 この人はMalabyと比べると、より一般受けするテナーです。 オープニング曲<This Will Be>は、Potterのテナー・ソロで始まりますが練習曲をやっているような雰囲気です。 暫くのソロの後、トリオが入って来ますがScott Colleyのウォーキング・ベースが心地よくテンポを刻み、Potterもそれに乗って肩の力が抜けてくるといった風です。 3曲目から8曲目はJAZZPARのために書かれた組曲となっており、アドリブはほとんどなく、Potterが書き込んだ譜面を演奏しているようです。(クラシックを聴いているような気分になる) この人もサイドマンを含めて非常に多くのCDが出ていますが、Malaby同様にどれも素敵な演奏です。 2人いるのは不合理ですが、Potterも一押しテナーマンです。 |
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”Wisdom of Uncertainly” AUM Fidelity AUM001 |
メンバ: David S. Ware(ts), Matthew Shipp(p), Susie Ibarra(dr), William Parker(b) 録音: Dec. 2-3 1994 曲目: Acclimation, Antidromic, utopic, Alignment, Sunbows Rainsets Blue, Continuum |
次はハードコアなDavid S. Ware(デビッド・エス・ウエア)を紹介します。 この人はフリーに分類しても合意です。 1949年生まれなので、既にベテランの域に達していますが、初リーダ作は1988年<Passage
to Music> Silkheart SHCD11です。 モノクロのジャケットはBlue NoteのEddie Gale<Gettho Music>に似た雰囲気を醸し出して中々の出来です。このユニット、Matthew Shippも気になるのですが、私の中ではそれ以上にSusie Ibarraの存在感が大きく占めています。 この人、Jazzの世界では珍しくフィリピン系の人で、東洋人ならではの繊細な音楽感を持っています。 Milford Gravesに師事したとか。 日本語のライナーにDavidがよく目を付けたものだとありますが、私も同感です。 内容は、Gimmy Lyonsに変わってFrank LoweがCecil Taylorユニットで演奏しているような感じです。 と書いてBioを調べると90年台後半までCecil Taylor Unitでやっていたとあったので早速調べると、<Dark To Themselves>Enja 2084に入っていました。 レコード持っているのに知りませんでした。 久し振りに聴き直すと、Raphe Malik(tp)、Jimmy Lyons(as)の2人と渡り合ってパンパンになって対等に渡り合っています。 フリーが好きな人はこちらも良い演奏なので聴いて下さい。 |
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”three GENERATIONS of Tenorsaxophone” JHM 3611 |
メンバ: Johnny Griffin(ts), Sal Nistico(ts), Roman Schwaller(ts), Paul Grabowsky(p), Thomas Stabenow(b), Joris Dudli(dr) 録音: January 11 1985 曲目: CD1: Rue Chaptal, I Should Have Known, Waltz With Sweetie CD2: Backlog, My Little Brown Book, The Things I Leave Behind, Bean And The Boys |
タイトルが示すように3世代のテナー奏者、Johnny Griffin(1928年生まれ)、 Sal Nistico(1938年生まれ)、Roman
Schwaller(1957年生まれ)の共演です。このCD、理由は定かではありませんが、録音が1985年で発売が1997年、1991年にはSal
Nistico(サル・ニステコ)が亡くなっており、2人がNisticoに捧げたメッセージを載せています。発表の翌年、残念ながらJohnny Griffin(ジョニー・グリフィン)も亡くなってしまいました。 Griffinについては紹介の必要もないと思いますが、Nisticoを知らない方は<Gibbs, Nestico, Pierce, Hanna, Van Lake, Andrus>(Time52120)を聴いて下さい。実力のほどが分かります。 このCDですが、Roman Schwaller(ロマン・シュワラー)が最初のソロをとっており、大御所2人に挟まれながら”これで決まり”という頑張りを見せています。Sal Nistocoも同様の感想を述べています。 それにリズム・セクションが大いに貢献しています。 ピアノ、ベース、ドラムのバランスが良く、フロントを盛り立てていると同時に、自分達の主張もしっかりしています。 余談ですが、JHMはJoe Hider Musicの略で、ピアニストJoe Hiderが立ち上げたレーベルです。 |
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”Soul Folks” NoMore Records No.10 |
メンバ: Frank Lowe(ts), Bertha Hop(p)e, Steve Neil(b), Ralph peterson(dr), Jack Walrath(tp) 録音: Feb 26 1998 曲目: Tubby's Night Out, Eddie's Dream, Nothin' But Love, Ms. Bertha's Arrival, Inappropriate Choices, Mirror Minded Rose, Soul Folks, Grand Valse, Addiction Ain't Fiction, A Bill For Evans |
Frank Lowe(フランク・ロウ)は、取り上げている人が少ない。 フリー大好きの私としては、取り上げない訳にいきません。 アンドリュー・ヒルに見出されたとかで、70年代にESPから<Black
Being>で鮮烈なデビュー(こう思っているのは私だけか?)、この時は割れたセルロイド製サックスのような音を出し、弱気な人は倒れました。 このCDは後期代表作(この言い回にはちょっと小粒かな!)と言って良い出来で、いろいろなミュージシャンをイメージした曲で固められており、驚いたことに、取上げているミュージシャンがタビー・ヘイズ、アート・ブレイキー、ブッカー・リトル、ビル・エバンスなどで、ロウからは一番遠い人達ばかりだ。 もう1つの驚きはメンバーで、ミンガス・バンドでやっていたジャック・ウォラス、それにエルモ・ホープの未亡人Berthaが入っている。こんなメンバーでやれるのって思ったけど、ロウのイメージにぴったり合っていることが凄い。 ロウは2003年に肺癌で亡くなったが、このとき既に片肺を切除した後だったとか、読んだことがある。(記憶が正しければ) |
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