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”Quickstep” enja 6084 2 |
メンバ: Kenny Barron(p), Eddie Henderson(tp), John Stubblefield(ts), David Willimas(b), Victor Lewis(dr) 録音: Feb. 18 1991 曲目: Once Upon A Time, I Wanted To Say, Until Then, Hindsight, Quickstep, Here And There, Big Girls |
≪Quintetという編成は、Charlie ParkerとDizzy Gillespieに始まりArt BlakeyやHorace Silverにより一般化したが、現在(1991年)評価できるQuintetが存在しない中でこの”The
Kenny Barron Quintet”は真に最高の5人組だ≫とライナーは書いていますが私もそう思います。 ジョン・スタブルフィールド(John Stubblefield)−−>イメージが朦朧としていて評価できないミュージシャン−−>ブリブリ・テナーとなっています。 エディ・ヘンダーソン(Eddie Henderson)−−>冷静で吹き過ぎないトランペッターのイメージ−−>今まで聴いたことない強烈に鋭いトランペット。 信じられません。 凄いです! ケニー・バロン(Kenny Barron)−−>出来不出来が激しく、今一歩のピアニスト−−>大変に奥深い演奏をしており、最高のハード・バップ・ピアニストとしてのKenny Barronを聴く事ができます。 全員が普段聴くことの出来ない素晴しい演奏をしているのは何故でしょう。 それは、現在最高のドラマー、ビクター・ルイス(Victor Lewis)のお陰なのです。 この人が入っていれば、そのアルバムは≪買い≫となるのです。 |
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”Tiffany” Five Stars Records FSY-504 |
メンバ: 八木 隆幸(p), Bruce Hamada(b), Joe La Barbera(dr) 録音: June 18 2006 曲目: That's All, The Very Thought Of You, O Grande Amor, The Song Is You, Tiffany, What's Is This Things Called Love, Don't Explain, Beautiful Love, You Look Good To Me, The Good Life |
バー・ラウンジでムーディに場を繋ぐピアノのような始まり、これはダメかなと思い聴き進むと、 3曲目<O Gtande Amor>辺りから様相が違ってきました。 全員が解れ、≪楽しくて、嬉しくて≫という感情が音になって聞こえて来ます。 本人達(特に八木さん)のそういう感情が伝わって来て、聞く方も幸せな気分にさせてくれる演奏で、このように感情を共有できるCDは稀ではないかと思います。 八木隆幸のホームページには、Jimmy Smithのオルガンに憧れて酒井潮氏に師事したとありますが、このアルバムには全くその匂いが残っておらず、包み込むような優しいピアノを聴かせてくれます。 既に廃番となっているようですが、何枚リリースしたのでしょう。 皆に聞いて欲しいと思う一方、自分だけ持っていたいという独占欲が出てくるアルバムです。 |
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”Miki” T-Friends TFA 001 |
メンバ: 大野 三平(p), Rufus Reid(b), Kenny Washington(dr) 録音: June 13 1989, Oct. 25 1989 (Last three solo plays) 曲目: Hard To Find, Miki, I Can't Get Started, Tadd's Delight, Double Play, We'll Be Together Again, Just Open Your Heart, Chase, Golden Earrings, Ka-Ge, Lady Bird |
日本には素晴しいピアニストが沢山います。(いました) 大野三平もその一人であることは確実ですが、あまりに寡黙でこのCDはファースト・アルバム、そして”Deep Night”JazzFreak Recordsが2枚目でこれで全てです。 大野の略歴を本CDのライナーを一部引用し紹介すると次の通りです。 大野三平(本名:肇)は1936年東京生まれで、16歳の時からキャバレーで弾き始め、その後ウエストライナーズに前田憲男の後任として加わり実質的な第一線デビューを飾った。 ジョージ川口のキング・ソロモン、原信夫のシャープス&フラッツで腕を磨き、独自のトリオを結成した。 リーダ・アルバム2枚を残し、1998年11月27日に亡くなった。 本CDは1989年録音なので、実に53歳での初リーダ・アルバムとなります。 しかも、その切っ掛けがルーファス・リードが来日した折に意気投合し、ルーファスの誘いで録音したとあるではないか。 日本のジャズ界は、どこに眼を付けているのかと批判されても言い訳は許されません。 ところで大野のピアノは、派手なところが全くなく、玄人好みそのもので何度聴いても飽きが来ない、所謂スルメ・ピアニストです。 独自のピアノ・スタイルですが、敢えて例えるとエリス・ラーキン+バリー・ハリスといったところでしょう。 誰か日本人ピアノ・トリオ・シリーズを企画しませんか。 後世に残ること確実です。 |
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”the CAHGEOVER” Unknown Records ROE 1234 |
メンバ: Rick Roe(p),Rodney Whitaker(b),Karriem Riggins(dr) 録音: June 24,25 1996 曲目: Skeletones, Claire, Hop On Pop, Schroeder's, Zacatecas, How Deep Is The Ocean, Darn That Dream, Just One Of Those Things, My One And Only Love, The Song Is You, Sweet Georgia Brown |
Rick Roe(リック・ロー)の軽やかなタッチのピアノと、トリオとしての高い完成度は聴く者をいつの間にか取り込んでしまいます。 選曲は、前半6曲にRoeのオリジナル、後半6曲にスタンダードを配する珍しい並べ方で、スローな曲からアップテンポな曲まで上手く弾きこなしています。 教育にも熱心で、現在はMichigan State University College of Music. の準教授の職にあるそうで、どうやって聴かせるかを知っているなと思わせます。 推薦に値するCDであることは確かですが、個性という点で少し物足りなさを感じさせるかも知れません。 |
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”Say When” tnc Jazz Recordings CD1715 |
メンバ: Tom Ferguson(p), Tom Warrington(b), Steve Houghton(dr) 録音: Oct. 15,16 2001 曲目: El Cajon, Spartacus, Sunrise Sunset, My melancholy Baby, gentle Waltz, What A Friend We Have In Jesus, Say When, Windows, Trude's Tune, I Remember You, Never Let Me Go, 'Teef |
Tom Ferguson(トム・ファーガソン)はほとんど知られていないピアニストです。 ライナーを要約すると次のような説明となります。 【1933年ケンタッキー生まれ(多分)で、このCDがデビュー作、長らく大学の教育現場で働き、アリゾナ州立大学では、James Williams,Mulgrew Miller,Lewis Nashなどが生徒として在籍していた】 スインギーな曲<El Cajon>で始まり、このスイング感が心地よく、縦でも横でも無く斜めに揺れるような感覚を覚える演奏をします。 また、<Spartacus> や<Gentle Waltz>のようなスロー・テンポな曲では、流れるような優しさを表しています。 選曲ですが、これが面白いのです。 <What A Friend We Have In Jesus>って何処かで聴いたことあるなと思ったら、キリスト教式の結婚式で必ず歌わされる賛美歌<いつくしみ深き>、これジャズでやった人は他に知りません。 ミュージカル屋根の上のバイオリン弾きより<Sunrise Sunset>、これもジャズでは聴いたことありません。 |
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”Live In Paris” Challenge CHR 70126 |
メンバ: Enrico Pieranunzi(p), Hein Van De Geyn(b), Andre 'DeDe' Ceccarelli(dr) 録音: Aprol 22-24 2001 曲目: CD1: Introduction, OuverThree, Body and Soul, I Hear A Rhapsody, Footprint, I Fall In Love Too Easily, But Not For Me, Hindsight CD2: Someday My Prince Will Come, What Is This Thing Called Love, Jitterbug Waltz, One Love Star, Una Piccola Chiave Dorata, Autumn Leaves |
Enrico Pieranunzi(エンリコ・ピエラヌンツィ)を初めて認識したのは1975年に出された<Jazz A Confronto>Holoの1枚でしたが、当時はイタリアの新人が出てきた位で聴くことも無く過ぎ去りました。 その後、CDで<No
Man's Land>Soul Noteを何気なく買ったのですが、この時も何のインパクトを感じる事も無く過ぎ去りました。 ある時、近所の”ブックオフ”のCDコーナを眺めていると、妙なジャケット(白熊に羽根が生えたやつ)のCD<The Dream
Before Us>IDAが眼に留り、確か950円の安価に釣られて購入しました。 これでびっくり、Pieranunziに気付いてしまったのす。 Pieranunziは偉大なピアニストであることに違いないのですが、駄作もあります。(多数のリーダ・アルバムを全て聴いた訳ではありませんが) しかし、良い時の出来は、一言で語れない凄味があり神懸かり的なオーラを発した演奏をしているのです。 碌でもない多数のCDが消えていく中で、ビル・エバンスの3部作に並ぶジャズ・ピアノの名作として永遠に残る作品、この<Live In Paris>はそんな1枚なのです。 |
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