私的名盤レコード紹介 : テナー・サックス

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Hill Country Suite
enja 2046
メンバ:
Bobby Jones(ts), George Mraz(b), Freddie Waits(dr)
録音:
Aug 30 1974
曲目:
Bringin' In The Sheep, Old Jack Daniels, Halleluja! Y'uns All Come To The Weddin' Dance, Only Blue Lady Love, The Gospel Truth

疑問、疑問、疑問... 格好良いテナーに比して余りに低い認知度。 何で? 理由はBobby Jonesの経歴を調べると明らかになります。

Bobby Jones(ボビー・ジョーンズ)は1928年にケンタッキーで生れ、10代でステージに立つも目立った活躍も無いまま過ごす。 1970年〜1972年、Charlie Mingusのグループに加わることで少しは認知されるようになったが、この時期のミンガス・バンドは最悪の時期であった。 Mingusと喧嘩別れした後、1972年にリーダー・アルバム<The Arrival of Bobby Jones>Cobblestoneをリリース、私的には素晴しいアルバムだと思うが、大きな注目は浴びることも無かった。 この後、数枚のリーダ作品(本アルバムと<benefits>FDBだけ?)をリリースしたが、1974年頃にミュンヘンに定住するも、肺気腫で活動を停止せざるを得ない状態となり、1980年に52歳で亡くなってしまった。

実質活動期間は1970年〜1974年の5年間、リーダ・アルバム3枚、これがアンダーレイテッドで終わってしまった理由です。

Bobby Jonesは私の中ではJ.R. Monteroseに重なるものがあります。 脱俗的な雰囲気を持っているからか、Mingusバンドに係わったためか、もし活動期間がもっと長ければMonterose同様に一部熱狂的ファンを獲得していた筈です。

本アルバムではテナーとクラを吹いているが、クラリネットがどちらかと云うとスインギーであるのに対して、テナーはスピリチュアルで何かに急かされ切羽詰ったような緊張感を感じさせます。

リーダ・アルバムではありませんが、<Introducing Bobby Pierce With Bobby Jones>でも良い演奏をしています。

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Brew's Stockholm Dew
Sonet SNTF624
メンバ:
Brew Moore(ts), Lars Sjoten(p), Sture Nordin(b), Fredrik Noren(dr)
録音:
Unknown 1972
曲目:
Kong Fredrik's Blues, Old Folks, Ladislav, Baite, Brew's Stockholm Dew's
 
Brew Moore(ブリュー・ムーア)、こんなに素晴しいミュージシャンなのに何故か縁遠い。 欧州録音の”In Europe”と本盤しか所有していない。

ブリュー・ムーアの謎、この写真のマウスピースの銜え方を見てほしい。
唇の一番左側に寄せ、両手は真ん中に持ってきて演奏しているのでテナーが斜めになって演奏している。 空気が漏れてまともな音が出ないのではと思われる。 それが今回紹介のレコードのジャケ写真では口の中心でしっかり銜えている。 いつ矯正されたのだろう?

本題に戻ろう。
今回紹介のレコードはStampenというストックホルムのジャズ・パブでのライブ盤。 この録音の1年後にチボリ公園で階段を踏み外したのが原因で亡くなり最後の録音となってしまった。 同一セッションの残りがStrivilleより”NO MORE BREW”というタイトルで1981年にリリースされている。

ブリュー・ムーアが出す音色は太くは無いが温かみがありスムーズだ。 Tonny Fruscellaの作品”Baite”という曲を演奏しているが、一度聴いたら忘れられない陰のあるメロディアスな良い曲だ。 ピアニストLars Sjotenの談では、よく演奏したそうでタイトル”Baite”の意味をBrewに問い正したところ、その意味は”BAITHOFVEN”とのこと。(どういう意味だろう?)

尊敬する原田和典氏によると、名盤といわれる”In Europe”でさえ、それまでのファンタジーへの録音などに比べ聴くに耐えないと述べている。 ”In Europe”も素晴しい演奏だと思うのでファンタジー盤『ブリュー・ムーア・クインテット』、『ブリュー・ムーア』、カル・ジェイダーの『ラテン・キック』など、見かけたら買ってみよう!
 
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