私的名盤レコード紹介 : ベース

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In Angel City
Verve 837031-1
メンバ:
Charlie Haden(b), Ernie Watts(ts), Alan Broadbent(p), Larance Marable(dr) /Alex Cline(dr)
録音:
1988 May 30 - June 1
Music:
Sunday At The Hillcrest, First Song(For Ruth), The Red Wind, Blue In Green, Alpha, Live Your Dreams, Child's Play, Fortune's Fame 
Charlie Hadenのベースは独特の響きを持っている。 一音一音がぶっ太い真似できない何かだ。 Charlie Hadenの代表作ではないかも知れないが、1980年代に入ってからVerveに録音した2枚(もう1枚は”Quartet West”)も落とせない。 落とせないではなく強く推薦します。

このメンバーは1979年に西海岸に移り棲んで知り合った仲間で、Hadenはこのようなミュージシャンと演奏できて幸せだと述べている。 それ以前のニューヨーク時代のイメージは、Ornette Coleman QuartetやCarla Bley Band、そして自らプロデュースしたRevelation Music Orchestraでいずれもメッセージ性の強いアルバムだった。 本アルバムでは強烈な主張は消えているが、これ迄に出会った人々に感謝し捧げた音楽、静かな癒しを感じさせる。 例えば”Sunday At The Hillcrest”は1958-59年当時のOrnette Coleman Quartetのメンバーに捧げられたもの、”The Red Wind”は人生で強く影響を受けたRaymond Chandlerに捧げたものだ。

最後に、Larance Marable、懐かしい名前が出て来た。 1950年代に西海岸で活躍した名ドラマーだ。 このセッションでも全く衰えを感じさせない仕事は見事だ。 1956年にJazz WestレーベルにJames Clayと録音した≪TenorMan≫が有名なあのドラマーだ。

最最最後にもう一人、Alan Broadbent、センスの良いピアニストだ。
 
Carl's Blues
Contemporary 7574
メンバ:
Curtis Counce(b), Jack Sheldon(tp)/Gerald Wilson(tp), Harold Land(ts), Carl Parkins(p), Frank Butler(dr)
録音:
Apr. 22 & Aug. 29 1957 & , Jan. 6 1958
Music: Pink Lady, I Can't Get Started, Nica's Dream, Love Walked In, Larue, The Buttler Did It, Carl's Blues
このアルバムは、タイトル”Carl's Blues”にサブタイトル≪This Album is Dedicated to the Memory of Carl Parkins≫が付けられている。 1956年9月にリーダのCurtis CounceがLAで選りすぐりのメンバーを集め結成され、メンバーの一人であったCarl Parkinsが1958年3月にこの世を去り解散する。 この1年半の間に2枚のアルバムをContemporaryに残した。

まずは主役のCarl Parkins。 29歳の若さで亡くなってしまったが、西海岸の錚々たるミュージシャンと競演し録音も多数残しているがリーダ・アルバムは残念ながらDootoneの1枚のみ。 Roach-Cliffordのグループでも短期間やっていた。 本アルバムでは最後の作曲となってしまった”Carl's Blues”を聴く事ができる。

Carl Parkinsは左手の麻痺というハンデを抱えていたが、演奏を聴く限りそのハンデは全く感じさせない。 少し影のあるピアノは20代のプレイとは思えない深みがある。

続いてFrank Butler。 ”Nica's Dream”での小気味よいドラム捌きには気持良さを覚えが、一方で”The Butler Did It”での丸々ドラム・ソロの演奏はそこまでのレベルには?と思わせる演奏。 今から振り返ると地味なドラマーで終わってしまった。

Harold Landは決して上手い奏者ではないが、厚みのある音は魅力的で、ここでの演奏も快調。 Roach-CliffordのグループがClifford Brownの事故死(1956年6月26日)で解散し、その年の秋にはこのグループに加わり、またもCarl Parkinsの死で解散、Haroldには死神が憑いていたのか?

Jack Sheldon、Gerald Wilson、Curtis Counceについてはまたの機会に取上げることにします。
     
 
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